野生のライオンは 保険に入らない。しかし 現代の都市を生きる人間にとって、すでに野生は 幻の地平線でしかない。
人為の街路を、私たちは、死と健康にかかわる 生真面目な気遣いを携えて、歩きつづけている。その時 保険は、
もう少し楽に 自らの人生を前へと進める 手助けになってくれるだろう。もちろん、保険会社のパンフを見ても、
そんな効能は 書かれていないが。 年を経るにつれ、配慮すべき事柄も重点を移していく。自身に万が一の事が
あった場合の 家族の生活の保障、医療技術の進歩に伴う 医療費負担増加への備え、相続と事業承継を見据えた
資産ポートフォリオの最適化 等々、さまざまな局面が想定される。保険の 適切な活用は、ストレスの緩和に
充分寄与し得るが、適切さは、保険の目的と機能、コスト対効果 の両面から、評価する必要がある。
専門家との対話を通じた確認を お薦めしたい。安心のための保険が 心配のたねになっては 困る。
すぐそこにBelay Pointがあるなら、あなたはそこで 適切な判断のための座標軸を、きっと見いだせるにちがいない。
(Belay Point:登山用語。ザイルなどで安全を確保するための支点のこと)